エキサイト株式会社

エキサイト株式会社

エキサイト株式会社は「メディアプラットフォーム」「ヘルスケア」「インフラテック」の3つの領域を主軸とし、自社企画開発で様々なサービスを展開している企業である。2018年、TOB(株式公開買い付け)成立により、経営陣が刷新した。その当時、4期連続赤字を計上していた同社だったが、新しい経営陣により3か月で黒字転換した。この企業再建に必要だったのが「管理会計を正しく捉えること」である。そして、赤字から黒字に転換した経験を活かし、管理会計システム「KUROTEN.」が開発された。今回はこの「KUROTEN.」について、グレープシティのJavaScriptライブラリ「SpreadJS(スプレッドJS)」を導入した経緯や利点のほか、同社が目指す「データドリブンな経営」とはどういったものなのか、木下さまと森脇さまにお話を伺った。

導入した製品

  • SpreadJS

導入前の状況

  1. アプリの主な要件として「Excelライクな操作感」が求められていた
  2. 開発者が手間をかけることなく、ユーザーが求めるExcelっぽさを簡単に表現できるライブラリを探していた

導入の決め手

  1. 同社が求めるExcelの機能をすべて網羅しているのはSpreadJSだけだった
  2. システムはVue.jsベースのJavaScriptで書かれており、Vue.jsに対応できるものを探していた

導入による効果

  1. 組み込んだ時点でExcelライクな画面を実現できた
  2. 豊富なドキュメントとサンプルを参照することで、開発工数の削減につながった

エキサイトが4時連続赤字から脱することができた『管理会計』をサービス化

―はじめに、御社が展開するサービス「KUROTEN.」を開発したきっかけについて教えてください。

木下さま
「KUROTEN.」は弊社が赤字から再建を果たしたという経験から生まれたサービスです。事の発端は、2018年に弊社がTOBにかけられて非上場となり経営陣が刷新したことです。4期連続赤字となっていた弊社の経営を立て直すことがミッションでした。
企業の再建のためにまず何をしたかというと、管理会計を正しく捉える必要がある、という話になりました。管理会計とは各事業部門の健康状態や実力値を正しく捉えるものです。弊社はいろいろな事業部門があり、管理会計によってその事業は撤退すべきなのか、予算を下げられるのか、人員を異動させるのか…など、そういった意思決定につながります。
『管理会計を正しく捉える=事業部の実力値がわかる』ので、その結果、どうアクションを起こすべきかが自然と分かってきます。そのアクションを実行していったことで、弊社は3か月で黒字に転換することができました。この管理会計のノウハウをツールとコンサルティングに落とし込みたい、というのがサービスを開発することになったきっかけです。

SaaS事業部
SaaS部 部長
木下 秀爾さま

―御社の黒字化につながった『管理会計』がツールになったのですね。「KUROTEN.」には経営管理診断といったコンサルティングサービスもあるそうですが、企業経営の実態としてどのように感じていますか?

木下さま
サービスをリリースし、たくさんのお客さまからお話を伺いましたが、管理会計ができず意思決定もできていないどんぶり勘定の企業が多くあるという印象です。古い会社ほどざっくりしていて、「黒字だから良いか」と考えていることが多いです。実際の現場では、各部門が数字を出し、それを経理が集計し、経営層に提出して、「見づらい」と言って戻されてフォーマットを作り直して…といった作業が多く発生しています。それだと工数やストレスがかかります。
KUROTEN.では、管理会計を手間なく意味を持つものにしていくことで、経営状態が健全になったり、より力強くなったり、そういう部分の支援を目指しています。

ユーザーが慣れ親しんだ“Excelっぽさ”を追求

森脇さま
システムをユーザーが使うことを考えたときに、「やっぱり使う人はExcelの操作に慣れているよね」という話になりました。Excelを実現できるライブラリはいくつか探しましたが、どれも一長一短で、我々が要望する機能を網羅できているものはなかなかありませんでした。その流れでSpreadJSに辿り着いたという形です。SpreadJSは、『Excelライク』という部分ではかなり機能が網羅されています。

SaaS事業部
SaaS部
森脇 昭宏さま

―無償のスプレッドシートライブラリも世の中に多くありますが、有償であることに抵抗はありませんでしたか?

森脇さま
有償、無償のこだわりは無かったです。それよりも、自分たちが実現したい機能がどれだけ網羅されているか、ということが重要でした。

―要件としてはどのようなものがあったのでしょうか?

森脇さま
セルの色や、数式の挿入、合計行の表示や、セル結合、パフォーマンスなどです。また、システムはVue.jsベースのJavaScriptで書いているので、それに組み込みやすいものを探していました。

―その中で特に重要だった要件を教えてください。

森脇さま
一番重要だった機能は数式と、何より『Excelライク』であることです。ほかのスプレッドシートライブラリの場合、見た目がそれっぽい表は作れますが、Excelっぽくするためにはかなりの作り込みが必要です。また、レイアウトの変更やメンテナンスは結局開発者ベースになってしまいます。一方、SpreadJSは組み込むだけでExcelにかなり迫ったUIや機能が実現できるので、その辺りの工数が省けるのはとても良かったと思っています。

―実際にSpreadJSを利用してみていかがでしたか?

森脇さま
ドキュメントやサンプルを豊富にWeb上にご用意いただいているので、それを見ながら弊社のサービスと比べて、サンプルのどの部分を使ったらいいのかというのがすごく探しやすかったです。サンプルにはソースコードが載っているので、それをコピペして、自分たちの開発をするところに持って行って、「あ、動くね」と。そういう感じでどんどん進めていけたので、とてもやりやすかったですね。

木下さま
会計システムの場合、数値は3桁ごとにカンマを出すなど、セル毎に細かいフォーマットがありますが、SpreadJSの場合はセル毎に柔軟に設定できるのも良かったです。

グレープシティへの要望と『KUROTEN.』の今後の展望は?

―SpreadJSについてご要望はありますか?

森脇さま
製品自体に不満はありません。
システムの中で画像をアイコンとして一部埋め込んでいるところがあるのですが、その部分の実装が少し難しく、E-mailサポートでアドバイスをいただきました。サポートにも満足しています。

木下さま
強いて言えば、システムでグラフを表示している部分があるのですが、この部分には別のライブラリを利用しています。SpreadJSにもグラフの機能はありますが、グラフを表示する領域がスプレッドシート上に限られてしまうため、別のライブラリを使わざるを得ませんでした。できるだけ同じライブラリを使い簡潔に作っていきたいので、グラフコントロールがSpreadJSに同梱されていたら良かったなと思います。

―『KUROTEN.』が今後目指す姿とはどのようなものでしょうか?

木下さま
『KUROTEN.』をリリースしお客さまの話を聞いていく中で、経営の領域はデータドリブンがまだまだ足りていないと感じています。デジタルマーケティングの世界はデータドリブンが当たり前で、データを集めて仮説検証をして次の手を打って…とやっていますが、これが経営の場合、勘で判断して…というのがまだまだ横行しています。
それを払拭するためには管理会計が必要ですが、管理会計は形骸化していて作業が大変というイメージが強く、経営層は数字だけ見て形だけ意思決定をしていることが多いと感じます。データドリブンな経営をするには、ファーストステップはデータを一元管理して可視化する、次のステップではいろいろな予測シミュレーションをするということが大事です。この流れを『KUROTEN.』上で作り、経営判断をしていけるプラットフォームにしていきたいと思っています。デジマの世界と同じように経営にもデータを活用できるようにして、いわゆるデータ経営というものが容易にできる世界を目指していきたいと考えています。

―データに基づいた経営により多くの経営者の一助となるサービスにSpreadJSを導入いただき、喜ばしい限りです。本日はありがとうございました。


取材協力:2021年9月

エキサイト株式会社

エキサイト株式会社

所在地〒106-0047
東京都港区南麻布3-20-1
Daiwa麻布テラス4F
設立1997年8月
従業員数170名
事業内容スキルシェア関連事業、ブロードバンド事業、インキュベーション事業
URLhttps://info.excite.co.jp/corp.html

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