株式会社WorkVision

株式会社WorkVision

株式会社WorkVisionは、流通卸売業、物流、医療・福祉、公共など、さまざまな分野のソリューションを手掛けているITベンダーである。今回は、「医療・福祉」の分野から、医療機関内の文書作成業務を支援するiPadシステム「ARTERIA®モバイルシステム」の開発に、ドキュメントAPIライブラリ「DioDocs for Excel(ディオドック)」を利用した事例についてお話を伺った。

開発概要
開発案件使用製品
ARTERIA®モバイルシステムDioDocs for Excel

「紙コストを削減したい」…電子カルテシステム開発のなかで医療機関から聞こえた声とは?

―はじめに、「ARTERIA®モバイルシステム」について教えてください。

宮内さま
病院をはじめとした医療機関で働く、看護師や医療事務員向けの医療支援システムです。来院した患者さんの問診の記載や、院内で利用される文書記載、入院している患者さんのバイタル(※1)測定の記録やアナムネ(※2)の入力・記載を支援します。

(※1)「呼吸」「体温」「血圧」「脈拍」などの情報のこと
(※2)入院する患者の情報を聴取すること

宮内 弘旭さま
バリュークリエーション推進部

―看護師、医療事務の方がターゲットなのですね。サービス化の理由は何ですか?

宮内さま
弊社では医療分野におけるICT化を支援しており、病院向けに医療基幹システムである電子カルテシステムの開発と導入を行っています。このシステムを導入しているユーザー様から、病院では紙文書での業務が多くあり、電子カルテシステムを導入するだけではまだまだ楽にならない、という声を多くいただきました。

―「紙文書での業務」とは具体的にはどのようなものですか?

宮内さま
患者さんが手書きで書いた問診票をシステムに手入力したり、診断書等の文書を1枚1枚スキャンしてシステムに取り込んだり、などです。病院様および患者様における文書の記載やバイタルの測定は日々の業務ですから、数が膨大なうえ、手作業だとミスが起こりやすいという側面もあります。ARTERIA®モバイルはこういった院内の文書がらみの課題を解決するためのシステムです。

ユーザーにとって親和性が高いのは帳票ツールではなくExcel帳票

―弊社製品「DioDocs」は、ARTERIA®モバイルシステムのどの部分に利用されているのでしょうか?

宮内さま
問診システムの部分です。問診はiPadを利用し一問一答形式で入力します。iPadで入力したデータを、DioDocsを介してExcel帳票で出力し、電子カルテシステムに取り込んだり、印刷したり、ExcelからPDFに変換してiPadで参照することもできます。

―出力の手段としてExcel帳票を選択した理由はありますか?

宮内さま
ユーザーにとって親和性が高く、使い慣れたものだったからです。帳票ツールなども検討したのですが、どうしても開発者よりの使い方になってしまうため、帳票発行の敷居を下げるにはExcel帳票がベストでした。医療分野の文書は法改正や時節柄含めレイアウトが変更されることが多いので、ユーザー自身で柔軟にカスタマイズできるということが大きなポイントでした。

DioDocs採用の理由は“安定稼働”と“新技術への対応”。次世代の開発者へのメッセージとは?

―数ある開発ツールの中から「DioDocs」を採用したのはどうしてでしょうか?

宮内さま
1番の理由はExcelをベースにしたコンポーネントであったことです。また、未来永劫とまでは言いませんが末永く使えるもの、会社の体制としてサポートがしっかりしているものを選ぶ必要がありました。グレープシティ製品は過去にも利用経験がありましたし、長い歴史があるのでサポートの面で安心して使うことができます。また、DioDocsはグレープシティのなかでも新しい製品なので、今後も新しいフレームワークに対応するだろうという所感があり、これから先も安定的にシステムを稼働していけると判断できたため採用に至りました。ほぼすべての機能をトライアル版で試すことができたので、導入前に実際の開発をイメージしやすかったです。

―実際に「DioDocs」を利用した感想を教えてください。

高井さま
弊社が取り扱う電子カルテシステムでもExcel帳票の出力は行っているのですが、Excelはもともと独立したアプリケーションのため、サーバーサイドで動作させるとメモリ共有違反などのトラブルがありました。また、Excelがバージョンアップするごとにプログラムをテストする必要がありました。
DioDocsの場合は.NET Framework上でメモリ管理を行ってくれますし、Excelアプリケーションに依存しないのでバージョンごとのテストも必要なく、総合的に見ても開発、実装の効率が上がりました。コーディング面に関しても、Excelのオブジェクトモデルと変わりなく、今までのコーディングのスタイルのまま開発できるのが利点だと思います。NuGetでプログラムを受け取れることも良いポイントです。

高井 啓太さま
医療情報ソリューション事業部
医療情報ソリューション技術部

宮内さま
オンラインヘルプは、機能ごと、関数ごとに記載があって直感的に分かりやすかったです。サンプルのダウンロードができたのも検証をする上でありがたいと感じました。

―“新しいフレームワーク”というお話がありました。今後、.NET Coreといった新しい技術に対応する予定はあるのでしょうか?

宮内さま
このシステム自体がiPadを主体にしたアプリであることと、クラウド版も持っているということで、マルチプラットフォームに対応した技術を軸にしていきたいという思いがあります。できることならサーバーサイドではWindowsより安価なLinuxを使っていきたいですし、そういう意味でも.NET Coreへの対応は計画の中に入っています。5年先、10年先を見据えて、今の若い世代の開発者たちが戦えるような技術でシステムを構築し、技術を継承していきたいと考えています。

―最新技術への対応にとても前向きなのですね。

高井さま
勉強することが増えて大変だなという思いはあるのですが、古い技術のまま新しいOSでシステムを動かせるようにするという小手先のメンテナンスをここ数年やってきていたので、今こうして新しい技術に対応していくことで、技術者としてもう一段レベルアップしたいという気持ちになっています。技術やOSの刷新が早いので、そのライフサイクルに我々も追い付かなければいけないと感じています。

宮内さま
もう、若手にレガシーシステムのメンテナンスをさせたくないんです(笑) 若い世代には技術者として新しいものにどんどんチャレンジしてほしいですね。

今後の展望とグレープシティに期待することとは?

―ARTERIA®モバイルシステムの今後の展望について教えてください。

宮内さま
このシステムは院内の文書業務に対してのアプローチなので、院外向けの機能も提供していきたいと考えています。例えば、現在はコロナ禍ということもあり、患者さんの病院での滞在時間を減らすため、事前問診や健康診断の問診票の記入を自宅で行えるような仕組みがあると便利です。このように、院内と院外の業務を繋ぐ役割を担う機能を追加していく予定です。

―紙の業務をどんどん減らす、ということですね。

宮内さま
はい。電子データがあれば紙そのものを保管しなくても大丈夫、というところに訴求していきたいと思っています。実際にシステムを導入したユーザー様からは「紙コストが無くなり、情報の均一化ができた」というお声をいただきました。

―最後に、グレープシティやDioDocsについてのご意見やご感想を教えてください。

宮内さま
DioDocs for Excelは、ExcelからPDFドキュメントを簡単に作成できることは評価できるのですが、それを保存だけではなく印刷する機能まで含まれているとなお良かったと思います。
また、DioDocsで利用できるドキュメントの種類が増えると嬉しいです。Excelを使い慣れていないお客さまもいるので、そういった場合に例えばWord版などの別のシリーズがあると助かります。DioDocsを知っていれば、ほかのシリーズでも導入しやすいと思います。

高井さま
昔からグレープシティ製品は使っていて、これが無かったら開発工数がどのくらいかかっていたのか…想像したくもありません(笑)本当に助けられています。
1つ要望なのですが、製品のロードマップをWebに掲載してもらいたいです。それが事前に分かれば、システム構築の検証のスケジュールも立てやすくなりますし、お客さまへの提案にも利用できます。

―貴重なご意見とお褒めの言葉をありがとうございます。時代の流れに合ったペーパーレス化の推進と、次世代を担う開発者を大切にしたテクノロジーライフサイクルへの対応のお話を伺い、とても前向きな気持ちになれました。本日はありがとうございました。


取材協力:2020年12月

株式会社WorkVision

株式会社WorkVision

所在地〒140-0002
東京都品川区東品川2-2-4
天王洲ファーストタワー
設立2012年10月1日
事業内容・クラウド/パッケージを主体としたIT関連ソリューション商品企画
・コンサルティング、販売、ソフトウェアの設計・開発、運用・保守サポート
URLhttps://workvision.net/

ご紹介した事例内容をPDF形式でご覧いただけます。

PDF版をダウンロードする(872KB/A4・2ページ)