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弥生株式会社

弥生株式会社

独自の「ソフトウェア」と「サービス」を提供し、事業コンシェルジュとして中小企業、個人事業主、起業家の方の事業の立上げと継続・発展を、あらゆる面からサポートする弥生株式会社。同社の業務ソフトウェアをまだ利用したことがない潜在市場の新規顧客獲得の一環として、クラウドアプリケーションの新規開発に取り組み、2014年1月に『やよいの白色申告 オンライン』、2014年10月に『やよいの青色申告 オンライン』、そして2015年7月に『弥生会計 オンライン』をそれぞれリリース。この3つのサービスに当社製品『Wijmo』を導入いただいた。アプリケーションの実装、テストの部分で開発日数・コスト削減に大きく貢献し、FlexGridやInputといったコントロールを利用することで、従来までのデスクトップ版製品と同じ画面の表現を簡単に実現することができたという。

開発概要
開発案件使用製品主な利用機能
やよいの白色申告 オンライン
やよいの青色申告 オンライン
弥生会計 オンライン
WijmoFlexGrid、CollectionView、Input

「弥生」のクラウド化の背景

ー「弥生シリーズ」など、業務ソフトウェアの市場において著名な製品を提供している同社。2014年~2015年にかけ、クラウドアプリケーションである『やよいの白色申告 オンライン』、『やよいの青色申告 オンライン』、『弥生会計 オンライン』を続々とリリースした。クラウド対応に至った経緯について、弥生株式会社の橋本氏は次のように話す。

橋本様
クラウド化の要望は以前よりありましたが、従来のデスクトップ版と今回リリースしたクラウド版のターゲット層は違うと考えています。クラウド版はかんたん、やさしいをコンセプトにMacでもWindowsでも会計業務を始めることができます。“業務ソフトは難しい、敷居が高い”というイメージを払拭するサービスとなっています。

橋本 武志様
開発本部 システム開発部
シニアプロジェクトマネージャー

ー『弥生会計 オンライン』は、画面の指示に沿って入力していくだけで、会計帳簿や日々の集計レポートを作成できる。“画面内で完結する”というのがコンセプトであるため、同社のUXに対するこだわりは強く、開発者は『ダメなUX=障害』という共通認識を持っている。限られた開発期間の中で高品質なUXを実現するために、サードパーティ製品を使わないという選択肢は無かった。データ入力から登録までの一連の動作についてサンプルを作成し、カスタマイズ性、使いやすさ、コスト面、豊富なコントロールなど、総合的に他社製品とも比較検討し、Wijmoの採用を決めたという。

大幅なコスト削減に成功

『やよいの白色申告 オンライン』、『やよいの青色申告 オンライン』、『弥生会計 オンライン』という3つのクラウドアプリケーションの開発にあたり、Wijmoは、実装・テストの部分で工数の削減に貢献した。弥生株式会社の久保氏は、Wijmoについて次のように評価する。

久保様
独自にコントロールを作ると検証にも多くの時間がかかりますが、Wijmoは実績のある製品ですし、品質が安定しているため、当社側で作らなければいけない機能を最小限に留めることができました。

ーWijmoを利用したことにより全体で5%程度の開発工数を削減した。コスト削減を実現するためにオープンソース(OSS)を選択する企業も多い中、商用のWijmoを選択した理由についてもお話しいただいた。

久保様
やはり品質担保が重要であるため、商用ライセンスを選択しました。また、Wijmoは日本の企業が開発している製品のため、日本語によるサンプルが充実していることも助かっています。サポートもよく利用していますが、有効な回答を得られるので素早く課題を解決できています。

久保 智也様
開発本部 システム開発部
シニアテクニカルリーダー

ー短期間で優れたUIを実現でき、開発工数の削減にもつながるうえ、安定した品質が保証されている…という総合的な判断として、Wijmo採用の選択は正しかったという。

デスクトップ版と同じ画面をWebで表現

ーWijmo導入の決め手の1つとなったのが、Wijmoに収録されているコントロールの中にどうしても欠かせない機能があったためだという。それが高速で柔軟性の高いグリッドコントロール『FlexGrid(フレックスグリッド)』である。そこには長く業務ソフトウェアを提供し続けてきた弥生ならではの理由があった。

澤村様
デスクトップ版で提供している設定画面と同じように、収益や費用といった勘定科目を複数階層で表示させるため、グリッドのツリー表示は絶対に必要な機能でした。今まで利用していたグリッドコントロールで実現するには、ツリー部分の実装だけでかなり時間がかかってしまいます。そのため、FlexGridがどうしても必要でした。

澤村 嘉孝様
開発本部 システム開発部
エンジニア

ーFlexGridを使用したクラウド版とデスクトップ版製品の画面を比較すると、ツリー機能が同じように表現できていることが分かる。

ーグリッド上でExcelのように編集する機能もFlexGridで実装した。グリッド上のデータを別ウィンドウに表示せず、インラインで直接データ編集ができるため、Excelに慣れ親しんでいるユーザーにとって使い勝手が良いものになっている。さらに、FlexGridにより表示速度が上がり、製品のパフォーマンスも向上したという。

ーこのほか、使用しているWijmoの機能について感想を伺った。

澤村様
CollectionView(※)がとても良いですね。CollectionViewにより、クライアント側で変更データを自動的に追跡してくれるので、クライアント側で連結データを扱いやすく、変更データをサーバー側へ送信する際のPOSTデータの削減にもつながりました。また、テキスト、日付、カレンダーなどのInput系のコントロールはよく使用しています。棒グラフの表示などもWijmoのコントロールで実装していますね。

ー長くデスクトップ版の製品を提供している実績があるため、新サービスであるクラウド版ではそれ以上の品質を求められてしまう。その要件に応えるために、Wijmoのコントロールを幅広く利用いただいた。

※ CollectionView(コレクションビュー)は、FlexGridなどと接続してクライアント側でデータを管理し、変更内容を双方向に反映できるデータレイヤーです。

今後に向けて

ークラウド版製品を実際に利用したユーザーからは、「経理の知識がまったく無くても、画面の指示に従って入力していけば何とかなるので助かった」という声が届いているという。では、このサービスは今後どのように進化していくのだろうか。

久保様
クラウド版製品だけで完結するのではなく、デスクトップ版『弥生会計』など、当社の他のサービスとも相互に連携し、ユーザーがスムーズに事業を展開できるようなサービスを考えています。使い方としては、クラウド版で日々の仕訳を入力し、デスクトップ版で決算書の作成、というものも想定しています。そのために、どんどん新しい機能を追加し、機能強化を行っていく予定です。

ー久保氏が話すとおり、2015年7月にリリースした『弥生会計 オンライン』は、今後デスクトップ版製品と連携し発展していく。まずは2016年3月に、弥生のパートナープログラム(弥生PAP)に入会している会計事務所向けのデスクトップ製品『弥生会計AE』と連携する予定である。法人(弥生会計 オンライン)と会計事務所(弥生会計AE)が連携することにより、リアルタイムな会計情報が把握できるようになるという。

Wijmoでは、弥生様の今後のクラウドサービスの発展に貢献できるよう、同社が期待される機能強化により一層努めていきたい。

取材協力:2015年11月

  • グレープシティ株式会社は、2023年11月1日よりメシウス株式会社に社名を変更しました

弥生株式会社

弥生株式会社

所在地〒101-0021
東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 21F
設立1978年
事業内容「ソフトウェア」と「サービス」を、自社及び、パートナーとの協業で開発し、中小企業、個人事業主、起業家の皆様の事業の立上げと継続・発展をサポートしている。
URLhttp://www.yayoi-kk.co.jp/

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30周年記念フォーラム「Toolsの杜」では澤村様にご講演いただきました。

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